プライベートは君と
 天秤にかける必要もない



空も越える




 「馬鹿じゃないの.」

 手塚国光お忍び帰国≠フ文字と伴に画面に映る彼と、今隣でコーヒーを啜る彼を交互に見遣って

 不二はそう言わずにはいられなかった.

 忍んでないから見つかって、報道されてるんじゃないか.

 「君、世界ランク8位のプロでしょ.一応有名人なんだから、もっと変装するとかなにかしなよ.」

 隠れる、ということがこの男にできるわけなどないけれど.

 報道陣に知られている実家に帰るわけにもいかず、今に至る.

 「僕、君のために一人暮らししてるんじゃないんだけど.」

 突然の帰国に本当に驚いたのだ.これくらいの嫌味は言わせて欲しい.

 「お前のところが一番丁度いいだろう.」

 実際に手塚の隠れ家として不二宅が丁度いいのは事実だ.

 誰にも知られていないし、

 「もしバレても友達のとこにいるのは自然だし…?」

 たとえ建前でも、彼に友達≠セといわれる僕の気持ちを気にもしないのだろう.

 「お前は相変わらず分かりやすいな.」

 「僕を分かりやすいなんていうの手塚くらいだよ.」

 手塚はあからさまに溜め息をついた.

 むかしから年に似合わない仕草だと思っていたけれど、

 10年経った今でもまだ、大人びすぎていると思う.

 「お前の誕生日を祝いに来たんだ.」

 「は?」

 可愛くない声がでたと自分でも思った.

 彼はいつも唐突なことを言う.

 「誕生日だろ?」

 「そうだけど….そのためにアメリカから帰ってきたの?」

 馬鹿じゃないの.

 言ってやりたかったけれど、急に跳ねた鼓動が邪魔して言えなかった.

 「プレゼントは事前に用意しといて正解だったな.」

 恋人が誕生日に会いに来てくれて嬉しくないわけがない.

 「むかしから、…君はずるい.」










 「Happy Birthday」















 不二誕生日おめでとう!
 書きたいこと半分もかけてない…OTL
 2010.02.28